#GONTANOE

後藤武史        算数パズル
      最近の思考停止風潮に喝

1)算数パズル作成出題(素人が考え付いた、小学生でもわかる面白パズル。)
2)水彩画投稿(本業水彩画家、時たま絵を投稿。)
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7月号---前回の解答と今月の問題[分数って何?]

お知らせ
前回アンドロイドのスマホでは、行が乱れ判読不能につきPCで見てくださいとお知らしましたが、スマホでもちゃんと見れる方法がありました。それは、画面最下部にある『PC判はこちら』をクリックすると乱れていない画面が出てくるのを、ある方からの指摘で分かりました。そういうことですのでどうぞスマホでもこのブログをどんどん見てください。7/5記


前月の解答
問題A
当初私が考えた解法は、下記に示すような、式から各数の関連性を導き出して、数を絞っていくやり方でした。しかし、6月途中に別な方法があることに気づき、これぞパズルと大見えを切ったのが悔やまれることとなりました。ただ、完全解を出すにはやはり下記の
数式から数を絞っていくやり方しかなく、大見えこそ取り消しますが、数の絞り方については以下のようなやり方になるものと思われます。


説明の為 3×3の図を、下記のように表記します。(枠線は表記されていません。)


ア a エ   で、題意は左図で、ア+ a+b+ x=a +エ+x +d=b+イ+ⅹ+c
b x d    = x +c+d+ウ を満たす1~9の9個の数、ア、イ、ウ、エ
イcウ    a,b,c,d,x を見つけることです。


まず、各4升の4個の数の合計をSとすると、下記の4式ができます。  
ア+a+b+x=S   イ+c+b+x=S   ウ+c+d+x=S   エ+a+d+x=S
4式を足して         ア+イ+ウ+エ+2(a+b+c+d)+4x=4S---①
また、1~9の合計は45だから、 ア+イ+ウ+エ+a+b+c+d+x=45---②
①-②で   a+b+c+d+3x=4S-45  ⇒ a+b+c+d+3x+45=4S---③
xに1~9を代入してみて、a+b+c+d、およびア、イ、ウ、エの4個の数を、a+b+c+d+3x+45が4の倍数であることから、x=1~9のそれぞれの場合について
xに1~9を入れて想定していきますが、下記の事象から該当する数は数パターンの
4数に限定されていきます。 で、その事象とは下記の⑥⑦です。
題意から ア+a+b+x=エ+a +d+x---④ イ+c+b+x=ウ+c +d+x---⑤
④-⑤  で  ア-イ+a-c=エ-ウ+ a-c ⇒ ア+ウ=イ+エ---⑥
また、もしa+d=b+cではイ=エ、a+b=d+cではア=ウになってしまうので、a,b,c,dの4数は合計が等しい2組ではない。---⑦
⑥、⑦からabcdとアイウエの4数の候補が絞られ、実際にそれらの数を図の中に入れてみて、どの4升も合計が同数になる事を確認し、解が求められます。で、下表を得ます。
(正方形・升目の枠線はブログソフトでは記入できないので省いています。)


1)x=1の場合    726  645  926  825     例えば、左図なら、8+6+2+1=
                                      819  819  417  619  2+1+5+9=6+7+1+3=1+3+9+4
                                      453  372  835  734  となり題意に合っています。


2)x=2の場合    916       716      816      654
                                      528        829        729      729
                                      734        534        543      381  


3)x=3の場合    816  815  186  916
            739  639  732  437
            452  724  459  825
         
4)x=4の場合       837  635  917  
               546  849  345
               291  271  826


5)x=5の場合       729
               654
               183


6)x=6の場合       814  519  453
               569  763  869
               723  428  271


7)x=7の場合       534  814  918
               879  579  273
               261  632  645


8)x=8の場合       614  714  916  915  714  624  452
               789  689  285  387  689  789  789
               523  532  734  642  532  351  361


9)x=9の場合       714  615  815  534
               598  798  396  798
               623  342  724  261


以上が当初考えた、全解答です。
マニュアル方式について
答えを一つ見つけるだけなら、以下のマニュアル方式で見つけることができます。
大きい数と小さな数を隣り合わせて行けば、それらの和は大体同じ値になるはずと考えられ、先ず1、次に9,2,8,3---と大小の数を順繰りに(市松模様になるように)置いて.行けばよいわけです。ので、下図ができます。
    1 9 2     この図ではまず1を左上部に置き、右、下と順次置いて行けば
    8 3 7     完成します。(5の次の6は、1・2の間でなく4・5の間の方が     
    4 6 5     合計値は均等になるから図の配置が良いはずと連想できますよね)別な置き方(1を9の箇所に、2を8の箇所に---)も出来ますので、やってみてください。この方法は、小中学生でも気づきそうで、私が、「これぞパズル」と大見えを切ったのは独りよがりでしかなく、恥ずかしいこと極まりありません。しかも、3×3ばかりでなく4×4、5×5でもいとも簡単に作れてしまうから、4,5法陣は超難解ですなど全くのおかど違いでした。ただ、全解答(いわゆる完全解)を出すには、やはり当初のしらみつぶしの方法しかないようです。


完全魔法陣と呼ぶべきものがありました。---この項、7/2記
今回の魔法陣が、正方形に詰まった数のうち、4升の和がみな等しくなるという、変則的な魔法陣についての話でしたが、各4升の和のみならず正方形に詰まった数の縦横斜めの和も等しくなるものがあることがわかりました。すなわち、普通の魔法陣であり同時に変則魔法陣でもある、どこもかしこも同じ値になる完全魔法陣ともいえる魔法陣で「デューラーの四方陣」と呼ばれて珍しがられているようです。その数の配置をどう見つけるか今は分かりませんが、その一例を下図にご紹介いたします。マス目の線は省いています。(太文字箇所2022年5/5記)下表の図は、1~14、15~4の行が左に一文字分ずれています。いくら編集で修正を試みても直りません。皆様には、それらの2行を右に一文字分ずらした図で考えて下さい。
                                            ⑫ ⑬  2  7
                               ①  11   14                丸文字の和=赤文字の和 
                               15 10  5  4      =34(他の4升の合計値も)
                                        6  3  16  9 → 34
                                         ↓  ↘  
                                             34     34       
縦横斜めの和、各四升の和 ともに皆34であることがお分かりになると思います。【さらには、四頂点・長方形・平行四辺形に位置する4数(12,7,6,9および13,2,3,16と1,15,14,4および13,1,4,16と2,14,15,3)の合計値もやはり34になっています。7/19記】
(ちなみに、4升の数の個数は4個なので、この完全魔法陣は3×3や5×5魔法陣ではあり得ないことがわかります。)昔の人はいろいろ考えるもんです。
訂正(7/18記) デューラーは数学者でなく画家で、「デューラーの四方陣」は下記の数値でした。(「デューラーの4方陣」で検索)


    ※「シュタイナーの叡智世界を森章吾がNaviします」から転載 
---この項終わり


問題A付録問題の解答---本にあった解答文と私の解法を以下に記します。
出典---「数のパズルは面白い」白揚社ジョゼフ・デグレージア著)の解答蘭の全文をそのまま記載します。(p.235)
『三角形の1辺に沿って並んだ各数の平方の和をSとし、各頂点にある数の平方が2辺で共通すること、また1~9までの数の平方すべての和が285であることを念頭に置けば、各頂点にある3つの数の平方の和は3S-285、すなわち3(S-95)になることがわかる。つまり3の倍数になる。したがって、3つの置きうる数はそれぞれの平方数を加えると3の倍数になるような数だけである。(この部分が今回の変則魔法陣の私の当初の解法と同じである。)これから、残りの数字を三角形の各辺に沿って配列するわけだ。頂点に来る数は2,5,8しかないこと、またほかの数字は三角形の周りに下図のように、並べられなければならないとわかるだろう。
驚いたことには、三角形の各辺に並んだ数の合計も等しく、いずれも20になるのである。
              5 
             4   1
           9     6 
            2  7  3  8           』 
 以上が「辺上の数付録編」の本の中の解答です。  
この解答文ではいまいちよく分からなかったというのが私の感想でした。そもそも、2,8,5に限定されるのはなぜかが理解できませんでした。なぜなら三つの数の平方の和が3の倍数になるのは、1(1)、4(16)、5(25)---42=3×14や、4(16)、7(49)、8(64)---129=3×43などなど他にもいろいろあるからです。
この本の解答を見る前に、私は下記のように考えて解を見つけていました。
『二桁の数が多く、やみくもに探しても、時間がかかる。そこで、①平方数の1位の数は、1,4,5,6,9の5種類だけである。②和が等しいということは、1位の数の和も等しいはずだから、1,4,5,6,9(5が1個以外は皆2個ずつある)で条件を満たす配列を探せばよい。③5だけは一つだから頂点に来るはず、④残りは左右対称になれば左右の辺は等しくなるはず。』で、①~④から下図を想定しました。
    5         5       5            5            5
  1  1        4     4      6   6          9    9        6  6
 9    9     6           6   1    1        4        4      1      1
4   6   6   4    1     9     9    1  9 4   4   9  6  1  1   6      4  9    9    4
3辺が等しくなるのはなかなかなく二日悩みましたが、ある時、繰り上がった数は関係なく1位が等しくありさえすればよいことに気づきました。で、上図右端の2個の図が該当し、(各辺の合計の1位の数は、左のが4で右のは6である)これに当てはまる平方数を、大小を案分してあてはめてみながら、下図の該当図のうち右側の正解を探し出すことができたという次第です。このレベルなら工夫次第で何とかなる、というのが実感でした。
                 5²                 5²
                7² 3²               6² 4²
               2²   8²             1²   9²
              6² 9² 1² 4²           8² 7² 3² 2²
以上で私の解法を終わります。
この解法を考えていて気付いた事象は下記です。1~9を1~11回掛けた数の1位の数はある規則性があり、面白く感じました。(なぜ11回かは、11回以上では表が横に長くなり、画面に収まらなくなるのと、11回でも規則性は見つけられそうだったからです。)
掛ける回数 |1  2    3  4  5  6  7  8        9      10     11
掛けられる数|
1         | 1  1  1  1  1  1  1  1  1  1  1
2         | 2  4  8  6  2  4  8  6  2  4  8
3         | 3  9  7  1  3  9  7  1  3  9  7  
4         | 4  6  4  6  4  6  4  6  4  6  4
5         | 5  5  5  5  5  5  5  5  5  5  5
6         | 6  6  6  6  6  6  6  6  6  6  6
7         | 7  9  3  1  7  9  3  1  7  9  3
8         | 8  4  2  6  8  4  2  6  8  4  2  
9         | 9  1  9  1  9  1  9  1  9  1  9
何か面白いことがお判りでしょうか。いや、面白く感じるでしょうか。
私は①1,5,6は何度かけても1位の値は同じ。
  ②4,9は偶数回、奇数回掛けてできる数の1位の値は同じ。
  ③[4n-3]回掛けた([4n-3]乗した)数の1位の値はその数に等しくなる。
といったことが面白く、何かパズルが作れそうな気がしたわけです。
以上で付録の解答の項は終了します。


問題Bの答
問題式:(□×□×□-□)×(□+□)×(□+□)+□=11111
問題の式を、説明するために下記のように表記します。
(ア×イ×ウ-エ)×(カ+キ)×(ク+ケ)+コ=11111
ⅰ)コに、1~9を入れて残りの値を出し、その値の三つの因数を想定する。素数かどうかは検索による。
   コ  11111-コ  想定できる因数   想定できる(カ・キ)、と、(ク・ケ)  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   1   11110   10×11×101   (2・8)(3・7)(4・6)と(4・7)(5・
                     6)(3・8)
   2   11109   3×7×529    2なしで3を加算で作る二数はない。
   3   11108   4×2777     2777の約数不明(素数っぽい)
   4   11107   29×383(検索)) 素因数二つだけなので該当式はない。
   5   11106   2×3×3×617  6・3を同時に加算で作る二組の二数はない。
   6   11105   5×2221      2221の約数不明(素数っぽい)  
   7   11104   2×2×2×2×2×347    4と8は(1・3)と(2・6)
   8   11103   3×3701      3701の約数不明(素数っぽい)
   9   11102   2×7×13×61  9なしで14・13を同時に加算で作る二組の
                   二数はない。
ⅱ)上記の素数、約数(素因数)を検索で確かめて、確かに素数っぽいものはみな素数なのでⅰ)のコが1と7の場合だけが可能性ありと考えられる。
ⅲ)コが7の場合を考える。7,1・3,2・6以外の数4,5,8,9で(ア×イ×ウ-エ)が347になるケースを考えると、5×8×9-4が近いが347にはなりようがない。よって、7のケースはない。
ⅳ)コが1の場合を考える。
   ①カ・キ・ク・ケが2・8・4・7の時、残りは3・5・6・9.で、この4個のうちの、3個の積から残りを引いた値の1位が1になるものは90-9の81のみで、101はなく、このケースはない。
   ②カ・キ・ク・ケが2・8・5・6の時、残りは3・4・7・9.で、この4個のうちの、3個の積から残りを引いた値の1位が1になるものには3・4・7・9があり、3×4×9-7=101でこれはOK.。(これに気づいたときが最も達成感に浸れる瞬間で、「あっ出来たーー!」となります。)
   ③カ・キ・ク・ケが3・7・5・6の時、残りは2・4・8・9.で、この4個のうちの、3個の積から残りを引いた値の1位が1になるものはない。よって、このケースはない。
   ④カ・キ・ク・ケが4・6・3・8の時、残りは5・7・8・9.で、この4個のうちの、3個の積は280以上で、ア×イ×ウ-エは101になりえない。よって、このケースはない。
  以上から、コが1の場合、上記の②のケースだけが該当数である。
以上、ⅱ)ⅲ)ⅳ)から、ア・イ・ウは3・4・9(順不同)、エは7、カ・キは2・8(8・2も可)、ク・ケは5・6(6・5も可)、ここで、カ・キとク・ケを入れ替えたものも該当数である。
代表を式にすれば、  (3×4×9-7)×(2+8)×(5+6)-1  となる。互換性あるものを除けば(例えば、2と8は交換可)これ以外に解はないと言え、上記の式が完全解である。
尚、問題に「一パターンだけ答がある。」と断りがあれば、11111⇒11110⇒10×11×101⇒(2∔8)×(5+6)×(残り3,4,7,9で101を作る)⇒(3×4×9-7)という連想から、発見は可能になると思います。
以上で問題Bの答を終了します


今月の問題--水割り算(「分数とは何か」について考えた問題です。若干未消化ですが、あえて出題させていただきました。)
<問題1>---平均とは(小五。分数について考えていたら、平均の話になってしまいました。ついでですのでお付き合いいただけましたら光栄です。)
 ①「Aさんは老人で歩くのが遅いです。1km離れたスーパーには行きは3時間、帰りは疲れるので4時間掛かります。スーパ-ーの往復のときのAさんの歩く平均速度は時速何キロメートルでしょうか。分数で答えて下さい。」
② 「ご主人は1km離れたスーパーには3時間、奥さんは同じスーパーには4時間掛かります。スーパーまでの二人の平均速度は時速何キロメートルでしょうか。分数で答えて下さい。
<問題2>---分数の大小(小六)
①「三つの分数4/7、5/9、9/16のうち大きさが真ん中の分数はどれでしょうか。最大、最少がどれかはわからなくてもOKですが、それが真ん中の大きさである理由を述べてください。」
②「1/3>1/4です。では1/3と2/7はどちらが大きい分数でしょうか。通分以外の方法でも考えてみて下さい。」
<問題3>---水割り算(勝手につけた名前で、前問の応用問題です。)(大人)
 「焼酎の水割りが好きなAさんは 通分(通分って実生活ですることないか?笑)が大嫌いです。今、13/200と15/220の大小を判定せよという問題を、通分によることなく見事に解きました。Aさんはどのようにして判定したでしょうか。ただし、Aさんは、二つの分数の大小を比べるとき、分母が同じなら分子の大きい方が、分子が同じなら分母の小さい方が大きいこと、また2/20と20/200は等しいこと(これ自体厳密には通分ではありますが)は理解しています。」
ヒント:最近焼酎の水割りを作っていて、あることに気づきこの分数の大小が通分によらず判定できるようになったのだそうです。(実話?)
上記問題2、3は、「分数の大小の判定は通分する」という常識に抗いたくなって作った問題(常識に反抗したがるのは算数好き人間の性)なので、やや恣意的な面があるのは否めませんが、お付き合いいただけますれば幸甚です。


これで今月の問題を終了します。さて次回8月号ですが、「正真正銘これぞパズル!」を予定しています。失地回復の自信作です。これで夏休みの時間をもてあそぶ事なし!
実は、この問題はつい最近の出来立てで現在も進化中で、未発表の傑作と自負しています。以前から申しておりました、豆腐一刀両断問題はまた別な機会にいたしますのであしからず。
     例によって、お知り合い・ご友人へのブログの宣伝
     よろしくお願いいたします。

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